20260419

All In vol.1 (Allan Ackerman, John Lovick)

OPOS DISPLAY

Olram Plus Display

4枚パケットのolram subtlety2種類。どちらも普通。

前者はリズムがおかしくなりそう。

 

THE BLACKJACK ROLL

ムーブ自体は所謂カップスフォースのそれ。

もっと活用すべきという意志が感じられ、マーローのブラフエーセスへの応用等が示されます。

 

THE OOPS ADDITION

シークレットアディションとスイッチ。

振付が決まる場面あれば使うこともあるかもとは思いました。

 

The HP Maneuver and Applications

ファンのハイドアウト技法とパスやコントロール、スイッチ等への応用が7種類。

後者は主にファンを閉じるときの技法になるのですが、ものによってはファンをスプレッドに持ち直すなどあるので人を選びそう。とはいえ応用範囲が広く自分合う形を考えてみたくなりました。

白眉はスイッチに使えるアドオンでしょうか。

 

PASSION disk3 (Birnard BIllis)

PLAM

PASS

DOUBLE LIFT

技法の巻。clasic passは解説が丁寧ですが、他はあっさりめ。知らないムーブも多く見てるだけでも楽しいが、それだとあれなので後日再走予定。

ただしフラッシュとそれを隠す雑なカメラ切り替えが多め。前者は仕方ないとしても後者はやめてほしい。

 

SECRET LANGUAGE (Helder Guimares)

Unexplained Understandable

説明のつかないもの。

ある種複雑な現象ですが、手法はかなり直接的。はったりではないのだけれどある種それに近いものを感じます。これを読まされた方は何を学び取ればいいのでしょうか。

こういうのをレパートリーに入れられるようなレパートリーを手に入れたい。

20260412 Secret Languageなど

1週間毎にその週に読んだ手品の記録をしていこうと思います。

 

SECRET LANGUAGE VOL.1 (Helder Guimaraes)

One Mistake(p.274)

ガイドカードのないOut of this World。

「あなたが間違えるカード」として裏色違いのカードを1枚導入される。このカードにより手法がかなり合理化されている。

ミスが起こりにくい工夫が随所にあり、手法的にはこれといって大きな弱点も見当たらない。

但し何が起こるのかきちんと説明されない状況で手順が進行するので観客を選びそう。

 

The Restless Joker(p.388)

アスカニオのRestless Ladyからインスパイアされた手順。

重い手品と重い手品の間に演じるような作品と書かれており現象説明(Experience)には"A performance piece about certainty."とあるのみで、現象は手順を読んだ後でもなんとも説明しづらい。ジョーカーがひっくり返るだけだがその質感はかなり妙で、セリフやリズムが機能しなければそもそも成り立たない。

手法的には最後の方少し無理があるようにも思えるが、ヘルダーの作品の幕間に演じるものと考えると手法も現象も普通に好き。

 

Professional Hour(P.176)

スートアピアランス。

ショーの初め用の手順で、いくつかのスキルデモンストレーションの後スートアピアランスに移行する。

すごいので多くは書かない。10まで出した後のJ~Kの出し方とかかなり好き。

最初の現象でタマリッツの記憶にかかわる某策略が出てきますが、かなり誰でも実行できそうな形になっていた。

 

52 LOVERS(日本語版)

Suit Appearance(p.169)

比較用のPepe Carrollの手順。どちらの手順も狙いがはっきりしているので見比べてみてかなり面白かった。

Carrollの方は今の時代にはないような鮮やかさを感じた。バラリノみたいな。

「お好きな方法で」と書かれているところがありそれはズルだろと思いました。

 

All in Vol.1

The ten-Card Poker Deal (p.196)

アッカーマンの手順。conjuring archiveにalmost no-touchとあったので読みました。

4段構成できれいにまとまっていて、実際no-touchと呼んで差し支えなさそう。

このプロットあまり上手に演じられているところを見たことがないので、自信ある人は見せてください。

ところでこのプロットは手札構成の恣意性が気になるんですが、ファンタスティック三郎さんのミニマルポーカーデモンストレーションから繋げたらよくなったりしませんか。

 

Four-for-Four Transpo (p.200)

最初のスイッチの流れだけ覚えておいてもいいかもと思いました。

 

 

 

こんな感じのごった煮を週1くらいで投稿できればと。

1冊読んでまとめてレビューは厳しいと悟りました。

 

The Pages Are Blank by Michael Feldman

現代に於いて魔法を信じている人など殆どいません。一方で手品の演出については独自に発展させている人たちがいるものの、全体としては時代に付いていけていないように思われます。「指を鳴らすと時間が巻き戻ってデックのトップに戻ります。」「カードを弾くと選んだカードがポケットに飛んでいきます。」これらはありがちな演出の一例ですが、魔法が信じられていない現代においてはその因果関係を誰も信じはしません。もう少し何とかならないもでしょうか。
このような問題に気付きながらも見て見ぬふりをしている方は少なくない筈です。

そんな手品の世界の中で、2023年に硬派なカードマジックを引き連れて出版されたのがThe Pages Are Blank。作者はMichael Feldman。

この本はフェルドマンの手品の演出に対するスタンスを綴ったエッセイから始まっており、主に「マジックは魔法ではないことを観客に対し積極的に表明するスタイル」についてと、「マジックで何を提示するか」について記されています。
このエッセイは無料公開されています。是非一度読みましょう。

www.vanishingincmagic.com

エッセイが無料なのであればこの本を読む目的は「では具体的にその思想をどのように手順に落とし込んでいるのか」を知ることにありますが、これについては親切なことにeffectとは別にpresentationの項目が用意されています。また、この本の稀有な特徴として、全ての手順においてマジカルジェスチャーが存在しません。それでいてカード・トゥ・ポケットやトライアンフ、アニバーサリーワルツなどの標準的なプロットに対して様々なプレゼンテーションで現象が展開されます。
具体的な手順としてはタイムスリップについて話しながらエースカッティングを行うtime one at a、誰も不幸にならないサカートリックのfalse dichotomyとmerely impossible、汎用性の高そうな演出のVictoryなど。また、現象的に魅力的なものも幾つかあり、架空の言語で行うスペリングトリックであるthe trick that cannot be spellchecked、サインカードがサインを保ったまま別のカードに変化するone upなどが挙げられます。

演出に関しては非常に興味深い一方で手順に関しては非常に硬派で、「本人は本当にこれを実行できるのですか?成立するのですか?」と疑いたくなるような手順もあります。これはフェルドマンの得意な技法で構成しているからであろうし、随所で語られる技法選択への拘りの影響もあるのでしょう。

採用されている演出に関してはレネ・ラバンやタマリッツのような演者に強く依存するものとは異なり、多くの人が取り入れられるものに感じました。折に触れて読み返しながら理解を深めていく本となりそうです。

www.vanishingincmagic.com

LEADING WITH YOUR HEAD by Gary Kurtz

Gary Kurtzが1992年に発表した38ページの小冊子。副題はPsychological and Directional Keys to the Amplification of the Magic Effect(邦訳版:マジックの心理学的実践理論)。
私が読んだのはマジックハウスから出ている邦訳版です。

主な内容は観客の知覚や注意についてと記憶の改竄について。副題から分かる通り所謂理論書と呼ばれるものですが、実践的な策略に関して豊富な具体例とともに記述されているためとっつきやすく、またその具体例がコインの消失やホーミングカードなど見知ったものばかりなのも非常にありがたい。

個人的に特に面白かったのは前半部分で、体の使い方に基づいたカバーの生み出し方について触れられています。注目を集める手や腕の位置と注目を集めない位置、強い動き(注目を集める/何かを示すのに適する)と弱い動き(何かを隠すのに適する)などについて語られた上で緊張と緩和やオフビートの話に続いていきます。

中盤は観客の注目をどこに集めるか、どう集めるかといった話に触れられていて、カバーだけでなくプレゼンテーションの面でも役に立つことが伺えます。

特筆すべきはこの後のアンビシャスカードの解説で、ここまでの内容が多く盛り込まれているため理論を実際の手順にどう落とし込んでいくのかをも理解することができます。

ここまで良いところを並べ立ててきましたが懐疑的に思わざるを得ない点もあり、例えば終盤では記憶改竄法について触れられているのですが、私個人の感覚としてあまりピンとこない。
また、演劇理論や過去のマジシャンの研究によって書かれた本のように思われるもののクレジット情報が特になく、そこは残念。とはいえ本書冒頭に「(これらの理論は)無数の書籍の中に散在していて、行間を読むことによってのみ収集できる」と書かれているので致し方なかったのでしょう。また、本文中にスライディーニやラムゼイ等の名前が出てきているので彼らを学べということなのかもしれません。

少し不平を漏らしましたが、そのような点を差し引いても序文にある「読者諸君に実地訓練のために貴重な数年間を省き、それまで気づかなかったと思われる新しい筋道を開き、陥りやすい落とし穴を教えて避ける手助けをする「道具」を与えること」という目的は達せられているように思え、また読みやすく分かりやすいことからも非常におすすめ出来る一冊に違いありません。何故日本で有名でないのかとさえ思う。

www.magichouse.biz

ある手品練習法の記録

2021年頃行っていた手品の模写について

当時私は自分のタッチに大きな不満を持っていました。何に不満があるのかすら分かっていませんでした。以下に記すのはこれを解消しようと行った練習法です。

概要

手本とする手品を用意し、模写する。

必要なもの

手本とする動画とそれを1/10倍速にしたもの。
2つの動画を同時に再生できるアプリ。以下の機能があるとよい。それぞれの頭出しを調整できる/スロー再生やコマ送りができる。

手順

  1. 手本の動画(1/10倍速)を繰り返し見ながらカードを持つ指の位置や手の動きを確認し、覚えて練習する。しばらく練習したら動画に撮影。
  2. 撮った動画と手本を同時再生アプリで再生。基本的に自分の動画の方が遅くなるので頭出し等を調整して遅れる原因を特定。持つ位置や動きが違う場所を見つけ、自分が不合理な動きをしていることを確認。気づいた個所と改善案をノートなどにメモ。
  3. メモを基に動画を再度確認し、動きを修正して再度練習する。
  4. 手順2,3を1日1サイクルを目標に繰り返す。
  5. 半月から1か月を目処に妥協点を見つけて練習を打ち切り、別の手順に取り掛かる。その間も先の手順の練習は続け、100日を目処に(クオリティに問題がないと判断すれば)SNSに動画投稿する。


補足

1日の終わりに動画を撮り、翌日日中の隙間時間等で動画を確認し、夜練習するようなサイクルにしてた。
初めから全て覚えようとするのは難しかったため、フェイズごとやきりの良いところで分割し、慣れに応じて増やしていくようにしていた。
SNS投稿はモチベーション維持のために行っていたが、承認欲求が満たされるばかりで何も得るものがないので取りやめた。模造を目的とした模造品に過ぎないので。

実際に取り組んだ手順

Ace Opener, Taryl, SHIKAKU
Oil and Water, Chitose, Hydrangea
Quick Sandwich, 高重翔, LITTLE GIANT※コントロールは省略
Ace Opener, ねすもあ, レクチャーマラソン
'Social Distancing' Card Magic!?, Do Kimoon, (YouTube)
The Card Across, Harapan Ong, Principia
Hold the Mayo, Bill Goodwin, Reflection
After, ARS, simplicity
Shaaken, Helder Guimaraes, (出典不明)
Siguiendo a Vernon, @RobertHouden, (Youtube)

 

注意していたことなど

あくまでも練習であってレパートリーを増やす目的ではないため手法の好き嫌いは無視する。
すでに習得している(ことにしている)技法で構成された手順にする。
クイック&ビジュアルな手順にする。
同じ人の手品は1つまで。誰かになりたかったわけではないので。
完コピはうまくなるための手段であって目的ではないことを自覚する。
セリフは省略。そこまで手を回す力はなかったため。
最後3つは完成前に中止した。
手順選択について思うことがある方もいるかもしれないが、完璧な選択ができたのならばこんな練習に取り組む必要などなかった。


振り返ってみて

この練習を行った期間を境に自分の手の動きが以前よりも大分マシになったという感覚を強く感じています。恐らく不合理な動きを発見して言語化し、取り除こうとする取り組みの中で自分好みの所作や扱いに気が付いたり身についたりしたからではないかと考えています。また、ほかの技法や動きを改善しようとする際にもここでの経験が役立ってくれているように思います。

練習にあたって影響を受けた記事

omozidef.hatenablog.com

 

追記

当時のメモを漁ったら「なぜQuick and Visualを練習するのか」と書かれた頁を発見したので一部を抜粋します。
意味のある練習を行いたい。
カードの取り上げ方を1つしか知らず、デックを右手から左手に渡す方法も1つしか知らない。バリエーションを増やすことで選択肢を得たい。
そもそも苦手意識のあるパケットトリックやQuick&Visualを練習しようというところから始まった。
なるべく真似ることで前述の通り持ち上げ方や置き方を身に付ける。
奇麗にできるなら厳密な真似でなくてよいと思う。とはいえ満足したら成長できなくなる。
自己目的化しないように気を付ける。

 

 

レクチャーに何を求めるか

レクチャーマラソンを受けました。3つほど。アーカイブが1週間という切迫感もあって2つ3つ練習しましたが、身になったかと言われるとなっていません。皆さんはどうだったでしょうか。


今までも何度かレクチャーを受けてきましたが、身になったと言えるものは決して多くありません。レクチャーを意味あるものにするにはどうすべきだったのか。そもそも私はレクチャーに何を求めているのか。

 

 

レクチャーで新しいトリックを知りたいとは思いません。自分で言語化出来る範囲でしか家に持ち帰れませんし、そらなら後で見直せるDVDや本の方がいいからです。


ねすもあさんの回はヒットでした。機材やブランディング、ビジュアルに見せる方法などの話は今回のレクチャーがなければそれを知るまでに相当の時間を要したことでしょう。告知で期待した通りでした。


他に高重翔さんのレクチャーを受けました。とても上手な方と聞いていたので、マジックが上手くなりたい身として受けない理由はありませんでした。


そのレクチャーでは最後の30分が質問コーナーだったのですが、その時は質問を思いつけませんでした。

アーカイブを用いてのサンドイッチカードを練習しながら、解説では話されなかったデックの取り上げ方やカードの示し方などを確認していきました。今なら質問したいことがあります。しかしながら時既に遅し。何がいけなかったのか。

 

 

予習が不十分でした。それどころか予習をしていませんでした。蔑ろにしていました。受け身の姿勢で、気分でレクチャーを受けてしまいました。それではこの結果も当然です。

高重翔のLittle Giant 2を持っていました。デックの取り上げ方を予習できた筈です。カードの示し方を予習できた筈です。怠慢でした。ねすもあさんがヒットだったなんて言うのは、たまたま自分の知らない知識を恵んでもらったのを身になったと思い込んでいるだけで、もっともっと深く知ることも可能だった筈です。


こういう現象をやる人、この技法が手い人ということを知っているのは予習でもなんでもなかったのです。


何を学びたいのか、どこに注目したいのかを予め理解できる人がレクチャーに行くのでしょう。そうでない私はレクチャーを受けた人に該当資料を教えて貰えばそれできっと十分でした。